日本の老齢給付:退職後に受け取れる年金はいくら?

日本の老齢給付

日本の老齢給付: 老後の生活を支える柱として、公的年金への関心が高まっている。2026年度(令和8年度)、厚生労働省は老齢基礎年金の満額を月額7万608円に改定した。4年連続の増額となり、7万円台に乗るのは制度創設以来初めてのことだ。しかし、物価上昇率が年金の伸びを上回っているため、数字の上では増えていても、実質的な購買力は目減りしているとも言える。退職後に「いくら受け取れるのか」を正確に把握することが、老後の資金計画において欠かせない第一歩となっている。

2026年度の年金改定額

厚生労働省の発表によると、2026年度の老齢基礎年金(国民年金)の満額は月額7万608円となり、前年度の6万9308円から1300円増加した。厚生年金の報酬比例部分は前年度比2.0%の引き上げとなっている。この改定は毎年1月に翌年度分が決定され、実際の支給は6月(4月・5月分)から反映される。年金額の改定には「物価変動率」と「名目賃金変動率」の両方が考慮される仕組みだ。

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マクロ経済スライドの影響

2026年度の改定率は、物価上昇率3.2%に対し、基礎年金で1.9%、厚生年金で2.0%にとどまった。これは「マクロ経済スライド」と呼ばれる調整制度が働いているためだ。少子高齢化が進む中で年金財政を持続させるため、給付水準を物価・賃金の伸びより意図的に抑える仕組みである。専門家によると、この抑制措置は経済成長が低迷した場合、2052年度まで続く可能性があるとされている。

国民年金と厚生年金の受給額の差

公的年金には大きく2つの種類がある。自営業者やフリーランスが対象の国民年金(老齢基礎年金)と、会社員・公務員が加入する厚生年金だ。厚生労働省が公表したデータによると、国民年金のみの平均受給額は月額約5万9000円台であるのに対し、厚生年金(老齢基礎年金を含む)の全体平均は月額約15万円台となっており、両者の間には約9万円の開きがある。

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男女間の受給額格差

厚生年金の受給額には男女間でも顕著な差が見られる。65歳以上の男性の平均受給額が月額約16万9000円台であるのに対し、女性は約11万1000円台にとどまっている。この差は、育児や介護などを理由に就業期間が短くなりがちな女性の加入実績が反映された結果だ。厚生年金は現役時代の賃金水準と加入期間によって受給額が決まる仕組みのため、就労形態の違いが老後の収入に直結する点は見逃せない。

夫婦2人分の年金モデル

厚生労働省が標準的なモデルとして公表しているのは、平均報酬月額45万5000円で40年間勤務した夫と、専業主婦の妻という世帯設定だ。このケースでの2026年度の受給額は月額23万7279円(前年度比4495円増)とされている。これは夫の老齢厚生年金と夫婦2人分の老齢基礎年金満額を合算した数字であり、あくまで一つの目安に過ぎない。実際の受給額は個人の加入歴によって大きく異なる。

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共働き夫婦と自営業夫婦の比較

世帯の働き方によって、老後の年金総額は大きく変わる。夫婦ともに厚生年金加入の共働き世帯では、合計で月30万円台になることもあるとされている。一方、夫婦ともに国民年金のみの自営業世帯では、合計が月11万円台にとどまる場合もある。老後30年間で換算すると、両者の受給総額には5000万円程度の差が生じるとも試算されており、現役時代の働き方が老後の生活水準に直結することが分かる。

在職老齢年金制度の見直し

2026年4月から、働きながら年金を受け取る「在職老齢年金制度」に大きな変更が加わった。これまでは賃金と老齢厚生年金の合計が月額51万円を超えると年金の一部が支給停止となっていたが、2026年度からはこの基準額が月額65万円に引き上げられた。政府広報によれば、この変更により、年金を満額受け取りながら働ける高齢者が増える見込みだ。

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65歳以降も働くメリット

高齢者の就労継続には年金面でも一定の恩恵がある。厚生年金への加入は70歳まで可能であり、加入期間が延びるほど老齢厚生年金の受給額も増える。また、年金の受け取り開始を66歳以降に繰り下げると、1か月ごとに0.7%増額され、75歳まで繰り下げた場合は最大84%の増額となる。ただし、繰り下げが有利かどうかは健康状態や家計の状況によって異なるため、一概には言えない。

年金だけで生活できるか

生命保険文化センターの調査では、夫婦2人が老後に最低限必要とする生活費は月額約23万円台とされている。ゆとりある生活を望む場合は月額39万円前後が必要との回答も多い。モデルケースの厚生年金受給額23万7000円台は最低限の生活費とほぼ同水準であり、国民年金のみの世帯では毎月10万円以上の不足が生じる可能性がある。老後に向けた別途の資産形成が重要な課題となる。

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ねんきん定期便で自分の受給見込みを確認

毎年誕生日頃に届く「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績に基づいた年金見込み額が記載されている。また、日本年金機構が提供する「ねんきんネット」を使えば、より詳細な試算も可能だ。専門家は、この数字を「不安の材料」としてではなく、老後の資産計画を立てる出発点として活用することを勧めている。公的年金はあくまで生活の基盤であり、不足分をNISAやiDeCoなどで補う視点が求められる時代となっている。

【免責事項】本記事は公開情報をもとに作成した一般的な解説であり、個別の年金受給額を保証するものではありません。実際の受給額は加入歴や就労状況によって異なります。詳細については日本年金機構または最寄りの年金事務所にご相談ください。

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